ペロ連れられて訪れた場所は希望も
無い廃れた街であった。
街の中には人はいるが、生きる気力が
かろうじてある程度であった。
そんな状況を打破したいペロは
ビルダーであるマスクに頼り、
共に街を復興して欲しいと願いでた。
マスクも助けてもらった恩もあるので
何とかペロの思いに報いるため、
協力するのであった。
第25話「魔物の名はゴルドン」
マスクは廃れたバーに訪れ、ルビーラを
作るために酒樽を作りった。
ペロ「マスクあなたスゴイわ!
酒樽を作ってくれたのね!
これでルビーラが作れるわ。
後はこの酒樽にツタの実を
入れて酒樽で寝かせば
ルビーラの完成よ!」
シドー「寝かせるってどういう事だ?」
ペロ「ツタの実を樽の中に入れることで
熟成させるのよ。熟成させることによって
ルビーラが美味しく出来るのよ。」
シドー「ふ~ん、よくわからないが
とにかく実を樽の中に入れれば
ルビーラが出来るんだな?」
ペロ「そういうことよ。」
マスクは早速ツタの実を酒樽に
入れてルビーラ作りに取り掛かった。
酒樽にねかせてルビーラは完成した。
ペロ「こんなに簡単にルビーラを作っちゃう
なんてさすがビルダーだわ!」
マスクとペロが何かをやっているのに気づいた
アーマンがバーに近づいてきた。
アーマン「出て行けと行ったのに
あのビルダーはウチの娘と一体何を
しているんだろう?もしいかがわしい
事だったら絶対に許しません!
あなた達!一体何をしているんですか!」
アーマンは声を荒げながら
マスク達に近づいてきた。
そしてマスクの横に見える
真新しい酒樽が目に入った。
アーマン「まさかその酒樽には
ルビーラが入っているのですか!?」
ペロ「ええそうよ!
マスクが作ってくれたのよ。」
アーマン「教団に禁じられた飲み物を
作るなんて……。あなた本当にビルダー
だったんですね!?」
アーマンの声に反応してか、
どこからともなく声が聞こえた。
その声は街いる人全員に聞こえ、
住民は恐怖した。
ミルズ「うぉおおおーー!!何だ今の声!
まさかハーゴン様がビルダーにお怒りに
なったんじゃねぇか!?」
謎の声は再び聞こえてきた。
ペロ「ビルダーであるマスクを呼んでるみたいね。
声がしたのは坑道の入り口近くよ。
行ってみましょう。」
ミルズ「ペペペペロは相変わらずゆ勇気があんな…。
オオオ俺達はここここでるる留守番してるぜ!」
ペロ「何言ってるの?皆で様子を見に行くの。」
マッシモ「まじか!!そそそんな怖いこと…。
オオオオイラできないぞ!!」
ペロには2人のあらくれの
言葉を無視して話を進めた。
ペロ「坑道は階段を降りたところよ。
アナタ達は黙ってアタシについてきて。
マスクもシドーもね!」
マスクとシドーには恐れは無かったので
ペロの言葉に頷き、ついて行った。
マッシモ「オイラ達だけ待つわけには
行かないのか?もし街に魔物がきたら
誰が守るんだ?」
ミルズ「マッシモよ、俺達がこの街に
来てから魔物なんて見ていないぜ、
ここは恐怖を我慢してペロについて
行かなきゃ、ペロと2度とお喋りが
できなくなるかもしれねぇぞ。」
ミルズとマッシモは覚悟を決めて
恐る恐るペロについて行っていた。
そしてついに声がしてきた場所に
たどり着いた。
ペロ「声がしたのは多分
この辺りだと思うんだけど……。」
*「ビル……ダー……。」
ペロ「マスク、声がしたのはこの砂山の
中みたい。この砂の山ならアナタの
ハンマーで掘れるんじゃないかしら。
やってみてマスク。」
マスクはペロに言われた通り、
ハンマーで砂山を掘り進んだ。
すると砂山から魔物が現れた。
しかし、魔物の様子が違っていた。
普段なら人間を見たら襲ってくるのが
ほとんどだがこの魔物はピクリとも
動かなかった。
ペロ「マスク。なんだかこの子
怯えているみたい。話を聞いてあげましょう。」
*「お前が…ビルダーか?…俺…の事を……
掘り出してくれて感……謝…する……。
俺…力……出ない……俺に…銅と……
銀と…金を……くれ………そうしたら…
…俺……力……戻る。」
いきなり物を要求してくる魔物に
シドーは笑いがこみ上げてきた。
シドー「ハッハッハ!何だお前!急に
出てきていきなり物を要求してくるとは、
面白いやつだな。」
しかし、現状では坑道は閉鎖されているため、
鉱物は何も掘り出せない状況である。
ペロ「銅と銀と金ね……あなたを
助けてあげたいけど、坑道が塞がれて
今は無理なのよ。」
ペロの言葉にミルズは耳を疑った。
ミルズ「おいおいペロこいつは魔物だぜ!?
何とかしてあげたいってこいつが力を
取り戻したら俺達を襲うかもしれないぞ?」
*「ペ…ロ?お前…優しい……俺……
お前…好き……俺……一目惚れ……
俺…お前のために……塞がっている…
坑道……穴開ける……俺に……
任せろ……俺に…ついてこい……」
そう言うと魔物は先頭を歩き、塞がれた
坑道の前までたどり着いた。
*「お前たち、この壁を壊したいのか?」
魔物の言葉にペロは頷いた。
ペロ「この岩の壁の向こうに坑道が
あって、先に進めたら嬉しいわ。」
*「わかった。お前が望むなら俺、壁を壊す!」
そう言って魔物は拳を思い切り振り上げ、
渾身の力を振り絞って岩の壁を殴った。
すると爆音と共に目の前にあった岩の
壁が跡形もなく吹き飛んでいった。
あまりにも大きな音は街に
いた者全員に聞こえていた。
今まで聞いたこともない爆音に
怯えながら確認せずにはいられなかった。
アーマン「いっいったい何が
あったんですか!?物凄い
音が聞こえてきました!?」
カルロ「おっおいこいつは……
まさかゴルドン!?」
ゴルドンとはかつてこの島の鉱山の守り神と
されているゴーレムで、鉱山で働く者で知らない
者はいなかった。ゴルドンのおかげで事故もなく
鉱物を採掘できていたのである。
しかし、坑道が閉鎖されるといつの間にか
ゴルドンの姿も消えてしまったのである。
そしてゴルドンは渾身の力を振り絞った
一撃で力を使い果たしてしまった。
ゴルドンのおかげで今まで閉鎖されていた
坑道の道がひらけたのであった。
だが今まで坑道が閉鎖されていたので
中はどうなっているかわからない。
崩れかかっている場所も
あるかもしれないし魔物が
繁殖している可能性だってあるのだ。
それも踏まえてペロは
マスク達にお願いした。
ペロ「お願い、マスク・シドー。
坑道の中を調べて来てくれない?
ミルズとマッシモに案内してもらうから。」
その言葉に俺達が!?と言わんばかりに
ペロを見つめるミルズとマッシモだったが
ペロはそんな目で見る2人にお構いなしに
話を進めた。
ペロ「マスク、アタシこんな事も
あろうかとこれを用意していたの!」
ペロはマスクに古びた爆弾を見せた。
この爆弾はペロが鉱山跡から掘り出した
爆弾で、再び鉱物を採掘出来るように
なったら使おうと取っておいた物だった。
ミルズ「マッシモ!ペロの頼みだ!
マスクのお供はオメエに任せる。
俺は閉所恐怖症で地下には行けねえんだ!」
マッシモ「そっそなんなの嫌だぞ!
オイラが魔物恐怖症って知っているはず
だぞ!……それにビルダーと一緒なんて!」
ミルズとマッシモが坑道に
行きたくない理由を色々
言っていても勝手に話は進んでいった。
そしてカルロがマスク達に提案をしたのだ。
カルロ「よし!教団には内緒だ…
試しに坑道を進んで銅を5個ばかり
手に入れてきてくれ。」
こうして坑道に入って調査を
する話は進んでいったのだった。
シドー「とし!マスク、坑道に行って
さっさと銅を見つけてこようぜ!」
シドーに一言にマスクは頷き、
共に坑道へと入っていった。
つづく